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税金のルーツについて調べてみました。税金の発祥には諸説あるようです。 その中に縄文時代の末期頃から始まったという説があります。 当時税金のことを「貢ぎ物」と呼んでいました。中国大陸から渡来人がやってきて、稲作やカイコの繭から絹織物をつくる方法などを教えたそうです。そしてその感謝の印として米や絹織物などを差し出したというのです。 また、日本の税金に関して最古の記録は、3世紀ごろに書かれた中国の三国志という書物の中の「魏志」倭人伝に書かれています。女王卑弥呼が支配していた邪馬台国では、「租」と呼ばれる税を納めていたようです。 そして、全国一元的な税制は大化の改新(645年)に始まり、大宝律令(701年)で完成しました。「班田収授の法」と言って、農民に田を分け与える代わりに『租・庸・調・(雑徭)』という税を朝廷に納めさせました。 その後、平安・鎌倉時代には年貢・公事・夫役があり、安土桃山時代には太閤検地により年貢の改正が行われました。江戸時代になると地租が中心になりました。 明治時代には地租改正に着手し、また所得税も導入されました。そして大正時代にかけては、戦費調達などのために新税がいくつも創設されました。 スコッチウィスキーの発展にも、税金が関係していたようです。 1725年、スコットランドでは「麦芽税」という税金が導入されました。その後ウイスキーの製造に規制がかけられ、小規模な蒸留釜が認められなくなると密造が行われるようになりました。そのため麦芽を乾燥させるための燃料としてピート(泥炭)が利用されるようになると、その結果ウィスキーに爽やかな香味が加わるようになったそうです。 また、税金を逃れるためにウィスキーをシェリーの空樽に詰めて隠したところ、ウィスキーが樽の中で熟成され、まろやかな味わいと琥珀色を持つようになったそうです。これが後にモルトウィスキーとして完成されたというわけです。 思わぬところで税の効果があったものですね。 そもそも税金はなぜ支払うのでしょうか。 病院・学校・鉄道・道路・空港・警察・消防などいわゆる公共サービスがなければ国民は大変不便です。 そこで国民生活を豊かにするため、国や地方公共団体がこうした施設を建設し、管理・運営しているわけです。 ですから国民が少しずつお金を出しあって、こうした費用を負担するというのが税金です。 では、国が税制を定める際の基本的な考え方はどのようなものでしょうか。 @ 様々な状況の人々が、それぞれの負担能力(担税力)に応じて支払う。 A 税制ができるだけ個人や企業の経済活動における選択を歪めないようにする。 B 税制の仕組みをできるだけ簡素なものとし、納税者が理解しやすいものとする。 という3つの考え方が基になっています。 こうした考え方は、「公平・中立・簡素」と言われているもので、各国で共通の認識として考えられています。 こうした考え方はアダム・スミス、ワグナー、マスグレイブらの考え方が基になっています。 現状では、少子高齢化や国際化の進展といった経済社会の構造変化等に対応して、消費税、所得税、法人税についても抜本的な改革を行うなど、税制全般にわたる見直しを進められています。 これらは「公平・中立・簡素」の考え方に基づいて進められているわけですが、3つの原則の関係には互いにトレードオフ(一つをとれば、もう一つはとれないという状況)を引き起こしているため、どの原則を優先すべきかということが大きな課題となります。 国際的整合性も含めて21世紀の経済社会にふさわしい税体系のあり方について、私たち国民が責任ある選択をしていかなければならないと思います。 申告納税制度とは、納税者が税法の規定に基づいて自らの税額を計算し、申告・納税をする制度です。 すなわち、所得や財産などの状況を最も良く知っているのは納税者なのですから、これは当然の権利だと言えます。 申告納税制度は戦後、総司令部(GHQ)から採用を勧められ、昭和22年に採用されました。 では戦前の税制はどういったものだったのでしょうか。 戦前は、物品税、酒税等の間接税が主軸で、所得税・法人税といった直接税は副次的な位置づけとなっていました。 そして“賦課”課税制度といって、予め税務署が納税者毎の課税額を計算するといった形態を取っていました。 そこで終戦後、総司令部(GHQ)はこうした制度は地域の有力者の介入を許し、税務行政を腐敗させると考え、昭和22年4月1日に所得税、法人税に、同年5月3日に相続税に申告納税制度が採用されました。 こうして申告納税制度という新しい制度が導入され、納税制度が民主的なものに変わり、既に50年以上が経過しました。 (現在でも賦課課税制度は、固定資産税や自動車税等の地方税について原則的に採用されています。) 既にご存じの通り、納税の義務は憲法第30条に規定されています。 また、憲法84条に「租税法律主義」を定めています。すなわち税金を課税する際には、法律に基づかなければならないという考え方です。 税務署もこの大原則を無視しては行動することは出来ません。 欧米先進国では税理士が責任をもってサインした申告書には原則として税務調査がないことになっているそうです。 私の事務所も平成14年に改正されたばかりの書面添付制度を有効に活用して、税務当局に対し税務申告書の信頼をお客様と共に勝ち得ていきたいと考えております。 中長期的視点から税制のあるべき姿を示した「中期答申」についてお知らせしたいと思います。 中期答申の根底にある考え方は、少子・高齢化やグローバル化が急速に進展する中、税制も21世紀にふさわしい姿に再構築していく必要があるというものです。 個人所得税について政府はどう考えているのでしょうか。下記に記載してみました。 所得税負担の国際比較をしますと、わが国は極めて低い水準になっている。多くの納税者が最低税率に分布しているためである。 こうしたことから、各種控除や税率構造を見直し、定率減税についても経済情勢を見極めつつ廃止していく必要がある。 個人所得課税を将来にわたり構築することは、国民の負担増を伴うものとならざるをえず、経済情勢に応じて改革に取り組まなければならない。 今後のあるべき負担構造は、広く公平に負担を分かち合うため、諸控除を簡素化してまとめていく方向性が望ましい。平成15年度の改正で、配偶者特別控除の一部が廃止されたことは、経済社会の構造変化に即応した第一歩と位置づけられる。 給与課税の見直し 給与所得者にも確定申告をして経費を実額控除する機会を増加させる事が適当である。その際、給与所得者の各種控除を引き上げて事業所得者とのバランスを検討していく必要がある。 人的控除の見直し 老若男女を問わず、働く能力と意思のあるものが積極的に活躍できる社会を構築する必要がある。 児童に扶養控除を厚くし、共稼ぎの増加により片稼ぎの優遇は適当ではない。 以上が所得税に対する政府のビジョンです。低所得者に配慮をする一方で、やはり増税は避けられないようですね。これは少子・高齢社会において社会保障などの公費を広く公平に分かち合うという考え方によるものです。 「公平」に対する考え方も時代と共に変化しているようです。すなわち、富めるものからより多くという考え方から、広範囲の方に負担してもらうということが平等であるという認識に変化してきていると思います。 以上が個人所得税についての税制調査会の考え方です。 |